ハンプトン・コート宮殿への行き方
イギリスのロンドンに滞在中、ちょっと足を延ばしてこちらの宮殿を訪れました。個人旅行だと中心地から離れるのはちょっとした勇気がいりますが、思いのほか行き方が簡単でしたので写真付きでご紹介します。
ハンプトン・コート宮殿とは？
ハンプトン・コート宮殿（Hampton Court Palace）。ロンドンからみてテムズ川の上流に位置するこの宮殿は、悪名高いヘンリー8世が住んでいました。生涯で６人の妻を娶り、離縁した妻を次々と処刑した話はあまりにも有名です。非常に広い宮殿で、お庭だけでも0.24平方キロメートル。東京ドームは0.047平方キロメートルだそうですわけわからん。
ヘンリー８世の５番目の妃であったキャサリン・ハワードの幽霊が徘徊するといわれている幽霊回廊や、毎年開催される『ハンプトン・コート宮殿フラワー・ショー』など、ホラーにガーデニングといったイギリスらしさも味わえます。
ロンドンから電車一本で行けるため、ロンドンを拠点とした旅行での日帰りプランに組み込むのもおすすめのスポットです。
ハンプトン・コート宮殿への行き方
ハンプトン・コート宮殿の最寄り駅はハンプトン・コート（Hampton Court）駅です。ハンプトン・コート駅へは、ウォータールー（Waterloo）駅からサウス・ウェスト・トレインズ（South West Trains）に乗る必要があります。
ウォータールー駅は、イギリス最大規模と旅客数を誇る鉄道駅で、かつてはパリ行きユーロスターが発着していたそうなのですが、実はこの駅の名前、あのナポレオンが敗北した「ワーテルロー（Waterlooのフランス語読み）の戦い」が由来なんですよ（イギリスゥ…）
サウス・ウェスト・トレインズは赤と黄色と青のカラフルな車両なので分かりやすいです。
ここでイギリスの電車の乗り方のポイントなのですが、日本と違って電車の到着するホームが決まっていません。じゃあどうするの？という話ですが、到着時間が近づくと電光掲示板にこのホームに着くよ～というのが表示されるのです。そのため、電光掲示板の前には、自分の乗りたい電車がどこのホームに着くのか表示されるのを待っている人たちが常にいる感じです。あんまり早く来ても、どこのホームに行けばいいか決まってないのでご注意くださいね。英語って見慣れないので探しにくいかもしれませんが、今回は目的地と駅名が一緒なので安心ですね！
余談ですが、地下鉄の場合は日本と同じくホームが決まっています。だからわたしは地下鉄がだいすき。この日以外はぜんぶ地下鉄を利用しました。
電車に揺られること約35分、乗り換えも不要です。
改札を出たらこんな看板があります。中国語がないのに日本語があるってなんか意外ですよね。うれしいです。
では案内に従って……駅を出たらテムズ川にかかる橋の方に進みます。橋を渡って少し歩くと右手に入口の門があります。
門をくぐってまっすぐ進んでいくと左手にチケット売り場があります。観光庁の公式ショップから事前購入された方はここでバウチャーを見せましょう！公式ショップでは支払いが日本円なので、為替変動や手数料を気にすることなくお買い物できますよ。駅から宮殿まで徒歩で約5分。
また、ここは音声ガイド（日本語！）が無料です。使わなくなったら宮殿内に設置されているＢＯＸに入れて返却すれば大丈夫ですよ。ちなみに、ヘッドフォンタイプなので帽子はかぶって行かないほうがいいかも！わたしはベレーかぶってたので手荷物が増えました。
所要時間
いろんなブログやまとめ記事を見ていると所要時間2～3時間程度……といった記載が多いです。実際にわたしもそういった記事や口コミを信用して宮殿へ向かったのですが……全然足りませんでした。
午前から行ったのに、だいぶ見終わったなと思いふと時計を見たら16時！！！！
閉園まであと30分です。え？なんで？！と驚きましたが、2時間程度で見て回れると言っているひとたちはおそらく音声ガイドを聞いていないのです。あまり説明を聞かず流し見する感じで歩き回れば確かに2時間で終わるかもといった感じです。（ここまで時間の経過に気付かなかったわたしもやばい）（でもそのくらい楽しかった）
わたしは部屋を移動するたびに音声ガイドを聞いていたのでほぼ丸一日かかりました。部屋の歴史や説明を聞きたいタイプの方は時間配分にご注意ください。しかも、気付いたら16時だった、ってこれ宮殿内の話なんですよね。これだけ時間かかって、お庭の方はまだ一歩も足を踏み入れていないのです。
もうめちゃくちゃに走ってお庭に向かいました。そしてこのお庭というのが宮殿に負けず劣らず広いんですね。残念ながらすべて見て回るには残り時間が足りませんでした。
今回の観光は冬でしたので、今度は春か夏にでもリベンジしたいです！！その方がお庭もきれいですしね。
ハプニング
ここからは余談。興味のある方だけどうぞ。
この日、他にも行きたい観光スポットがあったのですが、気付いた時には16時だったわたしは予定を変更してこのまま閉園時間までお庭で過ごすことに。
出来る限りのお庭を見て回り、閉園の10分前くらいに入口に戻りました。ところがどっこい、開いてないぞ？？？？
なんと、来るときに通った宮殿と庭園を繋ぐ入口が閉鎖されているのです。えっ？！早くない？！？！周りを見渡しても誰もいません。もともとお客さんはけっこう少な目だったので、もしかしたらこの時間まで庭園に残っていたのはわたしだけだったのかも……仕方がないので、別の出口を探すことに。が、これがもっと別の観光地ならともかく、ここはハンプトン・コート宮殿。ひとつの小さな町かと思うくらい広いのです。庭中をくまなく探すのはまず無理です。
ここでわたしは最悪の未来を想像しました。このまま閉じ込められるということです。いやいや警備員さんとか誰かしらスタッフおるやろ～と思われるかもしれませんが、冒頭に書いた通りここはほんとに広いのです。体感的に、たぶん警備員さんが10人いたとしても誰ともすれ違わんだろうなってくらいに広いのです。いや、15人……20人でも厳しいかも。しかもオフシーズンのイギリスで、そんな大量のスタッフさんを配置するとは思えません。
最初は早歩きで探し回っていたわたしでしたが、だんだんとダッシュに変っていきます。ほんとにヤバイ。なんかもう塀とかあちこち乗り越えた気がしますが、よく覚えてないです。まじで誰にも会わねえ。そんなこんなでたぶん20分くらい走り回って出口らしきものを見つけました。明らかにスタッフ用っぽい小さい通路でしたがそんなこと考えてられません。というか、この場を離れて他の場所を探しに行ったとして、諦めてここに戻ってこようと思っても絶対無理だろうなと思ったのです。（広いから）もうこのチャンスを逃すわけにはいかない。
そして通路をくぐってみたら、無事！外に出られました！！！！正確に言うと、チケット渡して中に入る入口の手前のところですね。まだ門の内側でありました。
なにはともあれ無事脱出出来てよかったー(^^♪って思ったのにさらなるハプニングが！
ハプニング2
みなさんお気づきでしょうか。わたしは宮殿で音声ガイド聞きまくってたら遅くなっちゃって、慌てて庭園に向かったんですよね。そして閉じ込められて、なんとかよくわからん通路から出てきたわけです。音声ガイドは、宮殿内のＢＯＸで返却できるって言いましたよね。
わたし庭園に閉じ込められてから宮殿内に戻れてないので音声ガイド返却できてないんですよ。
そしてここで鳴り響くブザー音。おそらく、閉園時間を過ぎていたのに返却していないせいでアラームが作動したようです。ちゃんと日本語で、返却してくださいの文字が表示されました。写真撮っておけばよかった。けどそんな心の余裕なかった。
正直に言うと、もうこの音声ガイド手放してしまいたかった。もう戻りたくない。でも戻らなきゃ音声ガイド返せない。泣きそうになりながら、いま来た道を戻りました。鳴り続けるブザー音にわたし涙目。
先ほど通った通路をまた戻って少し歩くと誰かに呼びかけられました。英語わからんので何言ってるのか分かんなかったんですけど、なんか声をかけられたってことだけは理解できるの不思議ですよね。声のする方を見ると、遠くからスタッフさんらしき男性がこちらに向かってきているではありませんか！もうここでわたしはびびりあがります。この状況、もしかしなくてもわたし泥棒なのでは？！「逮捕」「パスポートはく奪」の文字が脳内で瞬時に浮かびました。そろそろ泣く。
せめてもの無害アピールとして首からぶら下げていた音声ガイドを外しました。いつでも差し出すので……返す気はあるので……ほんとに…
やがて彼とわたしの距離が3メートルに。何言われる？！何言われても分かんないけど！
「HAHAHA～！オーケーオーケー！」
「(；＿；)？？？」
なに笑ってんだと思ってたら、それもらうよ、って感じで指さしてくれたので音声ガイドを渡しました。これから尋問が始まるのかと思い「あ……う……」とうろたえていたら、出口はあっちだよとジェスチャーで案内され……わたしがあれだけ怯えたのに反して、普通にばいばいできました……。え、わたし閉園時間過ぎてるうえ音声ガイドも返しておらず、明らかにおかしな場所に立ち入っていたのに怒られないんだ……？
たぶん、わたしが相当怯えていたのが顔に出ていたのかと思います。なんかめちゃくちゃなだめる感じでオーケーオーケーと言われたような……。
全然オチのつかない話でしたが本当に怖かったし走り回って疲れました。でもまた行きたい。お庭ぜんぶ見れてないので。
みなさんも、ハンプトン・コート宮殿に行かれる際は時間配分をお大事に……
