聖ジェームス教会(チッピング・カムデン)
イギリスはロンドンより車で約2時間。コッツウォルズ地方チッピング・カムデンの村のはずれにこの教会はありました。
コッツウォルズの村々はそれぞれ"village(村)"と言われるだけあって、1時間もあれば村全体を見てまわることができるほどに小さいです。また、村全体の景観が観光名所なので、例えばロンドンのようにロンドン塔、ハロッズ、バッキンガム宮殿といった単体の名所はほとんどありません。とはいえ、まるで絵本の世界のような美しい村々が集まっており、ロンドンからも日帰りで行ける距離のため日帰り旅行に人気のスポットなのです。
そんなコッツウォルズの村のひとつ、ここチッピング・カムデン(Chipping Campden)は中世に羊毛取引で栄えました。
そして、例にもれずこれといった観光施設があるわけではありません。イギリスの洗礼(雨と風)を受けて傘が破損したわたしは、とりあえずどこか雨風から身を守れる場所を!!と思い、やっと見つけたここに入ったのでした。
旅行でいらない荷物に折り畳み傘が挙げられることが多いですがロンドンでは必要だと思います……!
コッツウォルズ地方には様々な村があり、その中でもチッピング・カムデンは特に落ち着いた雰囲気でロンドンとはまた違ったイギリスらしさが味わえます。はちみつ色の家並みが美しく、昔のままの姿で今なお残るマーケットホールは町のシンボルとなっています。
まあ、そんな美しい街並みや住宅街が観光の目玉ゆえにとっさに逃げ込むお店がなかったわけで……わたしこのままだとそのうち足が浮くのでは?とすら思えた暴風の中を歩き回り、やっと見つけたぽつんと佇む大きな建物へ向かいました。何の建物かは分からないが、少なくとも民家ではないはず!
門から建物まではどきどきしながら進んでいたのですが、建物内に入ってすぐ、あ!教会だ!と分かりました。中には地元の方なのか、男性と女性の2人組が並んで座っていて、目があったのでハローと言ったらにこやかにハローと返してくれました。
中を見学しつつ写真を撮ったり……
ステンドグラスは、派手さはないものの厳かな雰囲気がありとても綺麗でした。とはいえ、パッケージツアーで組み込まれるような教会と違って小さな教会ですのでわりとすぐ見終わる。でも雨はまだ止まない。
手持無沙汰になりつつうろちょろしてると、さきほどの二人組のうち男性の方が近づいてきて、おいでおいでと手招きしているではありませんか。なんでしょう?
なんと!この教会の説明がいろんな言語で書かれてるんですね。せっかく見せてくれたのはいいけど、こんなところに日本語なんてあるのかな……なかったら申し訳ないから中国人のフリして中国語のやつ手に取るか……と思いつつ探してみたら、ありました!日本語!!
わたしが、やったー!って顔したら男性もやったー!って顔してくれました。やったー!(英語が分からんので表情で伝えたかった)
そしてまたうろちょろしてたら今度は女性の方が近寄ってきて……(*^_^*)
カーテンを開けて展示品?を見せてくれました。教えてもらえなかったら絶対気づかなかった!勝手に開けて良いとか思わないですしね!雨宿りで来ただけなのに世話を焼いてくれてなんだか嬉しかったです。
こういう時、英語が話せたら良かったなと思います。
その後、そろそろ出ようと思った頃。ドアに手をかけたところで振り返って、また元の席に戻っていたお二人にグッバイサンキューと声をかけるとにこにこして立ち上がり、わざわざドアを開けに来てくれました。なんて優しい(;;)ロンドンのひとは親切とはよく聞きますが、ロンドン市内でもいろんな方が優しくしてくれて、それだけでイギリスだいすきになってしまいました。忘れないように、いつかまとめ記事を書きたいです。
帰り道、わたしとは逆に教会に入って行くお爺さまとすれ違ったのですがにっこり笑ってgood morningと言ってくれてトキメキがすごかったです。
余談。教会の中にいる間、一度だけ若い日本人カップルが入ってきましたが終始無言ですぐ出て行ってしまいました。「日本人は無言で入って無言で出て行くからヨーロッパのひとからするとなんか気持ち悪い」みたいなこと聞いたことがあって、その時はピンとこなかったのですが、なるほどこれか!と思いました。わたしも日本人なので気持ち悪いという感覚はありませんが、言われてみると確かに日本人って基本無言で出入りしますよね。
あと、最後に一言。
コッツウォルズに行くなら春か夏にしようね!!!!
せっかくかわいい街並みなのに、ぴかぴかお天気の日に行かなきゃもったいないです。写真映えもしますしね。もちろん、雨模様でも確かにかわいい街並みではあったのですが、晴れてたらもっと素敵だったんだろうな~という感じが強かったです。
コッツウォルズに限らずですが、イギリスの路駐率を気にしてみると楽しいですよ。わたしは絶対こんな駐車できない。